大判例

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東京高等裁判所 昭和30年(う)3252号 判決

被告人 宮坂正巳

〔抄 録〕

論旨第二点中量刑不当の点を除くその余の論旨について。

当審証人鈴木はま子の証言によると、原判示鈴木はま子は被告人と同居し、原判示物品の一部は被告人の承諾をえて、被告人所有の箪笥類の中に被告人所有の品物と一緒に入れておいた事実を認めることはできるけれども、それは同女が被告人からその容器を借受けて、その中に自ら保管していたにとどまり、被告人にその物品の保管を委託したものではないこともまた記録上明白なところであるから、被告人が全面的にその物の占有を取得したといえないのは勿論、同女がその物品の占有を全く喪失したものとは認められないのである。

而して記録を精査しても被告人が原判示各物品の持出し、処分について同女の承諾を得ていたという事実は到底発見することができないから、被告人の原判示所為が窃盗罪に該当することは論をまたないところである。

(花輪 山本 下関)

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